大切な時間を、住み慣れたご自宅で穏やかに
終末期ケア(ターミナルケア)とは、病気の最終段階にある方が、できる限り苦痛を和らげ、ご自宅で安心して最期の時を迎えられるよう支援するケアです。訪問看護師が利用者や家族に寄り添いながら、身体的・精神的なケアを提供し、穏やかで尊厳のある時間を過ごせるようサポートします。
終末期ケアの目的
● 痛みや苦痛を最小限に抑え、利用者が穏やかに過ごせるよう支援
● 利用者の意思を尊重し、「自宅で過ごしたい」という願いを叶える
● 家族の不安や負担を軽減し、精神的なサポートを提供
● 最期の時間を、利用者・家族が納得できる形で迎えられるよう支援

終末期ケアの対象となる方
以下のような方が、訪問看護で終末期ケアを受けることができます。
● 末期がんの方(在宅で痛みをコントロールしながら過ごしたい方)
● 慢性疾患の終末期の方(心不全・COPD・腎不全・肝硬変など)
● 神経難病の方(ALS・パーキンソン病・進行性の神経疾患など)
● 高齢で老衰により在宅療養を希望する方
● 病院ではなく、自宅で最期を迎えたい方

終末期ケアで提供する主な支援
訪問看護では、利用者の身体的なケアだけでなく、精神的・社会的なケアまで含めたトータルサポートを行います。
痛み・苦痛の緩和(緩和ケア)
● 疼痛管理(麻薬・鎮痛剤の調整)
● 呼吸苦・息苦しさの緩和
(酸素療法・体位調整・内服薬の相談依頼)
● 不安や苦痛を軽減するためのケア
● 不眠・吐き気・倦怠感などの症状コントロール
こんな方におすすめ!
・ がんの痛みを和らげたい
・ 息苦しさや不安感が強く、ケアを受けながら自宅で過ごしたい
ご自宅での医療的ケア
● 医師の指示に基づく医療処置(点滴・皮下輸液・酸素療法)
● お身体の清潔ケア(清拭・口腔ケア・褥瘡ケア)
● 食事・水分摂取のサポート(経口摂取が難しい場合の対応)
● おむつ交換・排泄ケア(苦痛の軽減)
こんな方におすすめ!
・ 点滴や医療処置を受けながら、自宅で過ごしたい
・ 身体のケアを受けながら、清潔で快適な状態を保ちたい
家族へのサポート
● 介護方法のアドバイス(体位変換・移動の仕方)
● 在宅ケアの相談(おむつ交換・食事介助など)
● 介護疲れや不安を和らげる心理的サポート
● お看取りの準備とサポート(最期の迎え方・心構え)
こんな方におすすめ!
・ 介護に不安があり、正しい方法を教えてほしい
・ できるだけ穏やかに最期を迎えるための心構えを知りたい
お看取りのサポート
● 「最期の時間をどう過ごすか」について利用者・家族と話し合い
● 医療処置を最小限にして、苦痛のない時間を提供
● 臨終時のケア(呼吸停止・心停止時の対応)
● 家族へのグリーフケア(喪失感・悲しみのケア)
こんな方におすすめ!
・ 自宅で穏やかに最期を迎えたい
・ 事前に準備をしておき、安心して見守りたい
在宅での終末期ケアを支える仕組み
終末期ケアでは、訪問看護師・医師・介護スタッフが連携し、24 時間サポートを提供します。
訪問看護の支援体制
● 定期訪問(1 日 1 回または週数回)
● 24 時間対応の緊急訪問(夜間・休日の急変時も安心)
● 医師との連携(定期的な診察・指示の確認)
● ケアマネジャー・訪問介護との連携(介護サービスの調整)

終末期ケアの流れ
お問い合わせ・ご相談
まずは利用者やご家族のお気持ちをお聞かせください。不安やご希望に寄り添いながら、ケアの方針を一緒に考えていきます。
医師の指示書の発行
終末期ケアを開始するには、主治医からの「訪問看護指示書」が必要です。手続きについても丁寧にサポートいたします。
訪問看護の開始(定期訪問+緊急対応)
看護師がご自宅に訪問し、痛みの緩和や身体のケア、ご家族への支援を行います。緊急時にも迅速に対応します。
お看取りの準備
最期の時間をご本人・ご家族のご希望に沿って穏やかに迎えられるよう、心のケアと生活環境の整備をお手伝いします。